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時には アニメーションについて
2008-06-19 Thu 18:29
アニメーションって まだまだ研究途上の分野らしいです。

自分は アニメーションを作る人なのですが
アニメーションに関する論文は 全くと言って良いほど読んだ事はありませんし
世の中で 映画批評ならぬ アニメーション批評が 
どれほど頻繁に そしてどれほど詳しく 行われているのか
知らないわけなのですけれど 知り合いのアニメーション研究者の方の話だと
「アニメーション研究・アニメーション批評だけでは
きちんとした世界が出来上がっていない」とのことです。

うすうす 研究らしい研究ってあまりされていなさそうだとか
映画の中の一分野として見られて 独立できてないのでは?
とか 思っていたのですが 当たらずしも遠からずなのかも。
作られているアニメーションの量に比べて 
かかれている論文の量ってどうなのかしら?

日本だと マンガの動画バージョンであるアニメ という認識も
根強いから アニメーションというものも 自然とそちらに引っ張られてしまうし。

BSマンガ夜話とBSアニメ夜話の関係って 典型的ですよね。

静止画である絵画というものが 芸術として扱われているならば
アニメーションは 絵画に時間軸を与え その変化を扱う表現形態として 
もっともっと みんな注目してもいいのではないの?
もっともっと 可能性があっていいのではないの?

動く絵画としての アニメーション。
リアルなものの模倣という意味合いのみならず
その画風 デザインと一体となった動きの可能性。
時間・空間の感覚を 伸ばし縮め ゆがめる事でのみ
伝えうるメッセージ。

というのが その知り合いの方が所属している animationsという
グループの主旨なのではないかなあと 今更ながら ようやくながら
感覚として ぼつぼつ分かりかけてきたのです。
(間違ってたらごめんなさい。そして 本当に今更でごめんなさい。
頭で理解しているのと 感覚的に分かるのとは違うのです。)

ええと BSアニメ夜話ではなくて 日曜美術館で扱いなさいよ
という話なのではないかと思うのです。
そして その評価される基準というものが
まだ未発達なのです。アニメーションは。

表現としての可能性はそこそこでも 人力をものすごく投入してあると
評価されてしまったり 商業的な規模で回っていくものでなければ
人の目にすら触れなかったり。アニメーションに与えられる賞でも
偏っている場合があるかもしれません。
ASIFA主催のは大丈夫かな。大丈夫だと思うけれど。

2000年代に入り チェコやロシアのアニメーションブームが到来してからは
ファッションとしてのアニメーションという意味で
上映会も増え DVDの販売のチャンスも出てきて
以前よりは個人作家による映像を見られるようになったわけだけど
まだまだなのだろうなあ。

かく言う自分も 「アニメ」とかディズニーのカートゥーンの世界に
どっぷり浸かってて その範疇の中で 自分の空想の世界が 
現実に出現したかのように感じたい そのために映像を作りたい
マンガを描きたい と 思ってきたわけですが
最近 ちょろっとだけ興味の方向性が変わってきたような気がします。
というよりも 少し変えたいなと 思っているという事です。

『雨の日は、何色?』と『しあわせだいふく』を作ってから
---特に 『しあわせだいふく』で感じた事なのですが---
制作日数に限りがある中で 物語を語るために 
キャラクターに必要最低限の動きしか与えられなかったことが
ひっかかっていて 今度は 「動き」にこそ
意味を感じられる作品を作りたい と 思い始めました。
記号ではない動きをもっと模索したいなあと。

こう動けば こういう意味になる という
お定まりの動きだけでは ちょっともの足らなくなってきたのです。
イッセー尾形さんの人物スケッチのような 
一つ一つの仕草が その人となりを語り 存在を身近なものに感じられる
動きって作れないだろうか なとど考えたりしています。
考えているだけですが。

それでも 自分はやはり「演技」というものに興味があり
キャラクターアニメーションからは どうしても離れられないし
どうしたって 人物に感情移入して映像を見たくなってしまう。
アートとしての表現の可能性を純粋に突き詰めていけるのかどうか
分からない。

制作者側も頑張らないと と 言っても
自分の好みの部分から そう遠く離れて作っていくわけにもいかないし。
なんとも。

けれど 今の世の中にあるアートと呼ばれるものは何にせよ
キャラクター主導に陥りがちだったり 売れているものには
傾向があるようで それは アニメーションだけじゃないみたい。
どうしたってみんな 楽しみたいわけで。

デジタルスタジアムは アートアニメーションの若手を評価する番組ですが
アニメーション全般について その見方や 作品を紹介する番組では
ないですね。日曜美術館のように アニメーションの見方を解説し
代表的な作品を紹介する番組。
NHKは単発では その方面の作品を紹介しているのだけど
恒常的なシリーズとしては ないんだなあ。これが。

全て NHKの番組として例えてしまったけれど 
要はそんなことではないかと思うのです。

マンガは 日本だけでも 十分面白いものが出ていて
アニメーションに比べたら きっとずっと
研究も盛んになっているのでしょう。
多くの人が読んでいるし アニメーションに比べたら
生産日数やコストとのバランスもまあまあとれているし。

けど アニメーションは金食い虫 時間食い虫だからなあ、、、。
エコとかなんだとか叫ばれている時代に
紙は使う 電力は使うだろう?
個人でアニメーションやっている人間は
生き残っていけるのかい なんてことも 気になってしまう。
むむう。


いやあ ずいぶん 当たり前の事を 書いてしまいました。

当たり前のことに気づくのって 案外 大切だったりするのですけれど。
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ほぼ日 あなたもフォト絵。に載ったよ
2008-06-11 Wed 15:10
糸井重里さん『ほぼ日』の 『あなたもフォト絵。』

アーティストの福田利之さんに写真にお絵描きしてもらう
『福田のフォト絵。』をあなたもやって見ませんか? という
コンテストだったので ためしに出してみたんです。

そしたら 載りましたよ。載りましたよ。

http://www.1101.com/fukuda/contest/index.html

「ハンガー」の部(後編)に からす というペンネームで
入選です。たいした絵じゃないんです。
あんまり わたしらしくもないけど。

でも


ちょっと楽しいこと。
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疑似生き物写真
2008-06-07 Sat 22:09
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何かと最近遊んでしまう あたくしです。

この生き物は花が好物なのでしょうか。
食べているのは 横尾忠則展に行った時の 砧公園のアジサイですが
横尾忠則展については あまり語る予定ではありません。

いや 凄かったんです。
凄すぎて 頭がくらくらして 生気を吸われてしまうくらいでした
とでも 言っておきましょう。昨日は 暑かったですしね。

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和深川 補足
2008-06-05 Thu 22:53
以前の記事で イルカ型の屋根の家について 
宿泊施設らしいと書いたのですが
正しくは民家のようです。

テレビで紹介されていたらしく
このような説明のサイトもありました。

http://www2.ocn.ne.jp/~aritafum/iruka.html

リタイアされたご夫婦が 
仲間たちと住むために作ったお家らしいのですが
初めて見るとびっくりな建物です。
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農村取材(和歌山県西牟婁(にしむろ)郡すさみ町和深川 その3
2008-06-04 Wed 12:26
和深川の暮らしは 買い物がしづらく不便なんだろうかと思っていると
お米や野菜は自給自足だし お魚は近所の人がよく釣りに行くので
お裾分けが頂けるとか。とはいえ 車で連れて行ってくれた叔母は
乳製品や肉の加工品を持って行っていました。
どうしたって 制限はあるわけです。

イノシシも出る!!
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そんな和深川も 開発の手からは逃れられない様子。
すでに うぐいすの声のみがこだまする村の静けさは 
時折 鉄橋を通る電車の ごおんごおんという音で打ち破られているし
(特に谷間なので 音が反響します)
村の入り口辺りには イルカ形の屋根の不可思議な宿泊施設が建っていたり
また ここ1年ほどで ケンジさんの家の裏を新しいバイパスが通るとか。

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次にここを訪れる時には さらに騒がしく変わっているのだろうか
などと 感傷的になっていたら 
後から ケンタくんは狂犬病の注射がまだだったと聞いて
うーーー。

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農村取材(和歌山県西牟婁(にしむろ)郡すさみ町和深川 その2
2008-06-04 Wed 12:25
和深川の地形は 山沿いに細く長く広がっています。
左右を山に挟まれた地形ですが
最も奥まった小高い場所から見て 左手に川 線路 
右手に山沿いに民家がへばりつくように建っており 道は一本道。
その間に棚田が右手から左手へ下るようにして 広がっています。

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今回 主に見て回ったのは この一帯ですが
ここへ来るまでに 山沿いの道を左右に何度も折れ曲がりながら
その都度 これと同じような細長い地形の村を見ています。

和歌山へ来る途中の飛行機からも 適当に空中写真を撮ったのですが
こんな感じ。やはり 細長い地形が多いのかな。
(この村は和深川ではありませんけどね。)

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さて 先ほどの用水路 どこをどう通ったか
棚田の上の層へと流れ込みます。
水路は民家に近い側を流れています。

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水を張った田んぼを覗けば 音符どもがちょろちょろちょろちょろと泳いでいる。
真っ黒い 鋭敏とは言えなさそうな形の頭に しっぽだけが やけに力強く 艶かしく動くものだ。
トトロだ。
まさにトトロのおたまじゃくし そのままだ
と 本物を見て 映画と比べている自分が悲しくなりますが
本当にトトロのおたまの作画は 異様なまでに生命感があふれていたのだと
ショックを受けました。

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ケンジさんの家から 道沿いに下っていくと 
ほどなく小さな神社が見えてきます。
和深川王子神社 という名前で なんとwikiにも載っています。

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ここのお祭りは 村の小ささにしては かなり立派なものらしく
すさみ町などからも人が見に来るそうです。
社を覗いてみると 立派な作りの、、、これ何だろ? 
さらに小さなお社かな?が二つ 備えてありました。
お祭りそのもののイベントは 獅子舞だとか。

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鉄橋も 魅力的な場所の一つ。
二両編成の列車と もっと長い列車の二種類が 
かなり頻繁に通っていました。

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その昔 母が疎開をしていた頃 学校への近道ということで
この鉄橋を渡っていったこともあるそうです。
もちろん 親には内緒。
しかし 今のように 頻繁に電車が来ることはなくても
怖かったろうなあ、、、、。
スタンドバイミーみたいですな。

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農村取材(和歌山県西牟婁(にしむろ)郡すさみ町和深川)その1
2008-06-04 Wed 02:02
最近 田舎の村の様子といいますか 雰囲気を知りたくて
親戚のつてで 和歌山県の和深川という村に行ってきました。

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和深川は私の曾祖母の嫁ぎ先だったところで
母も戦時中 疎開をしていた場所。
今 現在でも まったく穏やかでのんびりとした棚田が広がり
うぐいすばかりが鳴いている そんな場所です。

和歌山の海沿いを走る国道42号線
(事故が多いので通称『死に号線』とか、、、)を田辺市側から進み
途中で 山側に入ってくねくねといくと この村に行き当たります。
親戚の家は 本当に道路の行き止まりも行き止まり。
奥地も奥地です。

google mapによる検索はこちら


大きな地図で見る

家は27戸ほどしかなく お店も郵便局もありません。
買い物をするには 車ですさみ町まで出て行かなくてはいけない。
でも 水がきれいで ここで作ったお米は
とてもおいしいらしいのです。


遠縁にあたるケンジさんという方に 昔の曾祖母の家の跡地などを
案内して頂く。ケンジさんの家のさらに奥 山に踏み入ったあたりに
あったこの家は その昔 田辺市の方に移築をしたため
(つい最近まで そのままの形で残っていたのですが、、、)
場所そのものは空き地です。ところどころ見られる石垣が
人が住んだ跡である証を かろうじて残しています。

近くには 大きな大きなシイの木が生えている様子。
基本的には この辺りの木は植林されたヒノキが主のようですが
農家の庭先には栗の木などもちらほらと見ることが出来ましたし
神社にも違う木があったかな。木の種類に詳しければ良かったのだけど。

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この辺りは「ハビ」(ハブ)が出るので 草を刈っておいて下さってたとのこと。
そうか ちょっとでも草が茂っていれば ハブが出る危険性があるのかと
改めて緊張する。

ふと見ると小さな祠のようなものが。
何を祀ってあるのだろうと 聞いてみると 蜂の巣を仕掛けるための箱だとか。
なんだなんだ。
そこここにこういった巣箱を仕掛けておくと 
上手くいくと蜂が巣をかけるのだとか。
今年は ケンジさんの家の裏の巣箱がアタリの様子。

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近くには川が流れ そこには田んぼへ水を引くための用水路が作られておりました。
用水路は 川から枝分かれし ヒノキ林の中を 苔むした石垣に沿って延々と流れていきます。
小さな滝もあり ここでは従兄弟達が昔遊んだりしたこともあったとか。
底の石のひとつぶひとつぶが数えられるくらい 透き通っています。
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用水路沿いにどんどん歩くと 線路が見え そこを超えると
再び村の奥 一番最初の写真の景色が見える辺りまで
戻ってきます。

ケンジさんの家族 ケンタくんがお出迎え。
ええと 名前からすると ケンタくんの方が長男だろうか、、、?
将来とても大きくなりそうな ぶっとい足をしておりますが
まだまだ子供で 甘えん坊らしいのです。
近づくと飛びついて来てかみかみします。

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ラクガキエンターテインメント製造商品のパッケージ
2008-06-03 Tue 15:52
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なのではないかと 思われます。
お早めに お召し上がりください とあるので
お菓子か何かだったのでしょうか?
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ミハイル・ゴミバコフ
2008-06-03 Tue 15:37
うちの仕事場に 紙ゴミ処理担当のゴミバコフ君がやってきました。

以前 プロフェッショナルで荒井良二さんの特集を見た時に
レンジや冷蔵庫に顔がついているのを見て
家の中にこんな素敵なアシスタントがいたら
元気が出るのじゃないかな?
と 思ったのです。

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4個のキャスターで 部屋中あちこち動き回って
紙ゴミを食べてくれますが ときどき 必要なものまで
食べようとするので 油断がなりません。


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マンガ連載『風招き森のクロ』はじまります?
2008-06-01 Sun 12:12
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すでにご存知の方もいると思うのだけど
わたくしには からすのクロさんという 付き合いの長?い友人がいます。
大学時代に出会い ずうっと 活躍の場を与えてあげたいなあと思っていた
キャラクターなのですが 生来のひねくれと卑屈さのためになかなか表に出ることならず 
わたしはいつも「いつ出してくれるのっ?」と文句を言われ続けておりました。

無理矢理 わたしの 名刺なんかにも住み込んでいたり。

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そのクロさんが 今度 マンガという形で 冒険の場所を見つけたようです。
6月13日から 講談社のオンラインマンガ配信サイト『MiChao!』で 
クロさんに会うことが出来るとか。

MiChao!
http://moura.jp/manga/

タイトルは『風招き森のクロ』。

風招き は かざおき と読みますよ。

内容は 講談社のサイトに出てないから まだあまり言っちゃいけないのかな。
ちょっとひねくれていて自尊心の強い主人公 からすのクロさんが
風招き森で繰り広げるお話なんですね。そのままですね。
ええと これはサイトの広告の絵に載っているから 言えますが
クロさんの親友 心穏やかな子犬のシロさんも出ます。
(シロさんも わたしにとっては10年来の友人ですが 
今回 クロさんがお目見えの場所を頂けたことを ことの他 喜んでいます。
と 同時に 自分がシロクマに間違われないかどうか
ちょっと悩んでいるとも語っていました。)
さらにとなりに箒のようなひっつめ髪の子供の顔が見えますが 
さて これは だれなんでしょうか?気になりますねえ(笑)。

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こちらのサイト 無料ですがまずは登録が必要になります。
メールアドレスとパスワードを設定して下さい。
その後 ちょっと見づらいのですが 
画面上部左の 緑色のリスト
(「新着」とか「劇画座」とか「ひめちゅ」とか並んでます)の中で
『ピテカントロプス』という項目をクリックしてください。
すると 緑色のリストの右側の絵が オレンジ色のふちで
女の子が本を開いている絵や 
ピテカントロブス4月25日リニューアル!といった文句の載っている
広告に変わりますので 今度は その広告自体をクリック。
それで 今は 新連載 風招き森のクロ というお知らせバナーが見られます。
そして 今は バナーだけです。あしからず。

ちなみに ピテカントロプスって 講談社の一部署のお名前で
クロさんの様子は そこを通して皆さんにお伝えして頂くわけです。

MiChao!では たくさんのマンガが配信されている プラス
サイトのデザインにちょっと難があり
結構見つけづらいかもしれないんですが
見つけられると良いなあ、、、、。

よろしければがんばって見つけてみてください。
そして 時折 風招き森の様子を 確かめてあげて下さい。

宜しくお願いします。

(風招き森スポークスマン わたなべ)


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