2011-04-24 Sun 22:35
放送が終わってもう一月以上経つのに やっとこんな日記をアップしているドンガメ~な私ですが…
DVDの発売にむけて担当部署は代わっても皆様が色々と頑張っていらっしゃるので もう少しだけ当初書く予定だった記事をアップしようと思います。 制作の裏側を少しでも楽しんで頂けたら幸いです。 公式HPも後藤プロデューサーのブログもまだまだ見ることが出来るはずです。 記憶を反芻してお楽しください。 ***** ![]() さて ようやくキャラクターデザインは固まりかけた頃というのが 丁度9月の入り口でした。 この時 私は並行して『光の偉人 影の偉人』という別のNHKの番組をお手伝いしていて こちらは終わりに近づいてはいたものの まだ少し作業が残っているという具合でした。それに加えて 私には必ずこのお仕事を10月の第一週には終わらせなくてはいけない という事情があったのです。 というのも 10月12日から私はクロアチアに行くことになっていたから! …って そんなのは自分の勝手で行くんだろうと言われてしまえばそれまでですが NHKのお仕事より先に決めてあったんだもん。お金も払い込んじゃったんだもん。仕方ないやないですか?。 ということで いつもなら多少の遅れが出ても構わないところ どうしてもお尻が決まっていて その分焦りもありました。ですから 本来 設定上の乙美の残したイラストは200枚(100枚?)くらいの束でしたが 私はその中の重要なものだけを担当する その40枚という数は 時間的にぎりぎりだったのでございます。(残りは外注に出して私の作風に合わせて描いていただきました。)西谷監督も なるべくそれは順守すると約束してくれました。 ***** 西谷Dは マメに必要な絵のリストを更新してはメールで送ってくれていました。 ![]() (クリックすると大きくなります) この中でシンデレラと書いてある部分。(no.19-no.23) これがね? 曲者だったのですよ…。 というのが 絵は基本的にすべてA5サイズ…それが 乙美(風吹さん)の残したレシピカードの型だったのですが シンデレラの絵だけは紙芝居として描かれたものでしたから当然それより大きくなります。それが5枚ある! 西谷DからはできればA3でと言われていたのですが 報酬と照らし合わせるとどうしても赤字。こちらはB4でならやりますけど A3はちょっと…(って あんまりサイズ的に変わらないと言われてしまいそうですが やっぱり線引きはしないと…)ということで 相談の挙句なんとかB4でOKしてもらったのでございます。 で ここが一番時間がかかるだろうと考えて 紙芝居から絵を描き始めたんですが やっぱり最初はのりが悪いというか… やはりシンデレラの場合はほかの絵に比べて背景も小道具も描き込みが多かったし シンデレラの資料をいろいろ見比べたりで(何世紀の話なんだろう なんてことも調べてたりしましたよ。シャルル・ペローは17Cの人だからその頃の衣装とか調べたりして…) なんか資料集めばっかりやって 時間がかかりましたですねえ。 一日に2枚という目標やったのに 3日に1枚しか描けなかったりして こんなペースでは本当にクロアチアへ行けるんやろか という…。 ![]() ![]() おまけに シンデレラのドレスの着せ替えなんて 誰やこんなん考えたの!!!! ねえ…? ![]() それが終わって 本編のイラストに入ったら速い速い!いや 別に想定通りかちょっとそれより頑張れる くらいの速さなんですけどね それまでが効率悪かったもんですから やたらと進みがいいように思われたわけですよ。サイズは1/3以下だし 背景はあまりいらないし。 それでも調子のいい時悪い時 色々ありで なんとか順調に進んで行った方やと思います。 ![]() ![]() ![]() ![]() はい すいません 西谷監督。塩バタラーメンを食べるの図で もう描いてしまったから いい表情も出てるから 何が問題なんですかと キャラクターの座席の位置は修正しない!と言い張ったのは私でございます。m(_ _;)m ![]() 監督からのメールは「ユーモアのセンスが独特で面白いですね」とか「天才です!」という誉め言葉以外は全て無視して描き進めていったような気がいたします。 そして なんとか締め切りに間に合いそうな具合で最後の数枚に手を付けていたある日 監督から「早めに上がりそうですねえ」と電話が。「実は最期のここへきて 脚本の方がのっちゃって イメージが膨らんじゃいましてねえ あと6枚ほどイラストがあったら助かるんですが…」という内容。 ![]() (クリックすると大きくなります) う~ん…。 いや 海外旅行の準備のために空けてある一週間に食い込むなあ… でもやれるだけのことはやりたいし… どうしましょう と相談に載って頂き では4枚なら…とお引き受けして こんなシーンを付け加えたのでございます。 ![]() ![]() ![]() ![]() 改めて見たら スケジュール表にこんな走り書きがしてありました。第四回まで見て下さった方には 夜奥お分かりでしょう(笑)。 ![]() そして 10月○日。ADの福嶋さんに44枚のイラストをお渡しし やっと一段落! 数日後 旅支度のために買い物をしている真っ最中… 西谷D「すいません!てっきり発注したと思い込んでいた絵が抜け落ちてました!!」 うぉぉぉぉぉぉおおおお~。 「西谷さん お昼おごってくださいよ~!!」「分かりました~!!」 それは 乙美が働いていた 子供のための更生施設を卒業した子が将来やりたいと言っていた コロッケサンドの販売車の絵でした。その日の午後 仕事場に緊急出勤。その日のうちになんとか仕上げて 監督にjpg画像をメール。最後のオッケーが来たときには ほっとしました。 ![]() もう これ以上「抜け落ちてました」がありませんように…(T_T)。 ***** なんて 大変だったことばかり列挙してしまいましたが 全体としては もう自由に描かせていただいたようなもんです。セットでの撮影に入る前には必要である ということで 小道具が先にできている必要がありましたし 西谷監督は私の作風を大切にしてくださったので 楽しんで描いていました。特に 伊東四郎さんの絵などはちょっとしたおちゃらけがあったりして…。(伊東さん含め キャストの皆様はどう受け止められたでしょう…?また原作者の伊吹さんは…?それを考えると ちょっと怖いとこもありますが…) ![]() もちろん 私はイラストだけの範囲で頑張っていたつもりになってましたが 結局ドラマは総合的に見て何ぼの世界です。原作はもとより 脚本 ロケで探してきた場所やセットの美術もそうですし(乙美の絵手紙を描いた人もいるでしょうし) 役者さんを選ぶ段階から 彼らの演技 監督の演出 カメラマンやADさん メイクさんたちの影の努力あり プロデューサーさんの采配などなど もろもろあって出来上がっていく そういった集団作業です。全体として良いドラマにできていたか…そこが問題なのは重々承知してますが… 西谷さま 後藤さま 楽しいお仕事をさせていただいて ありがとうございました!! そして このドラマを見てくださった皆様がちょっとでも 良かったな という印象を心に残していただければ 大変嬉しく思います。 ***** 四十九日のレシピ 平成23年2月15日(火)全4回 総合 夜10:00~10:48 公式HP 後藤プロデューサーブログ スポンサーサイト
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2011-04-14 Thu 23:04
4月8日にtwitterの@nhk_drama10にて後藤プロデューサーが正式につぶやかれました。
「「四十九日のレシピ」Pの後藤です。みなさまひと月のご無沙汰でした。さて、DVD発売に向けて動き出しましたのでひとまずご報告を。ご要望の多かったレシピカードを何とかするべく、担当者も知恵を絞るようなのでお楽しみに。」 万歳 です!これに勝る喜びはありません! 発売予定はいつになるのか レシピカードはDVDの特典となるのか その辺はまだまだ分かりませんが 嬉しい!! これというのも 見て下さった皆様が掲示板やメール 電話 ツイッターなどで再放送やイラストのご要望を送り続けてくれたおかげだと思います。ありがとうございました。 これ 公式HPにもスタッフブログにも載っていませんが 正式な情報ですので…。 みなさま 楽しみに待っていてくださいね。 ![]() |
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2011-04-14 Thu 22:02
先日アップしたはずの『法事なんです その1』が数日間消えたままです。
FC2ブログの説明によると どうやらサーバーの不具合らしく 記事が消えたり 文字化けが起こったりといった現象があちこちで見られるようで それを修正しているようです。そういえば ちょっと前まではカテゴリーがなくなっていたなあ。 色々とアップしたいことはあるのですが このような状態が続くとなかなか安心して書くことができないですね。 コメントをくださった葛の葉さま コメントを読むことはできるのですが ブログ上での返信ができなくなっております。何がしかの形でお返事しますので もう少しお待ちくださいね。 |
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2011-04-09 Sat 23:12
法事で岐阜に来ています。
といっても 四十九日ではありません(^_^;)。 それは一昨年済ませましたのでね。今年は三回忌というわけです。 亡くなったのは乙美さん…ではなく父の母 つまりわたしの祖母です。 名前は照子といいまして 貞子ではなかったので 残念ながらホラー映画のネタは使えません。 ![]() ![]() こちらは浄土真宗のお寺でお経を読んでもらいます。このお経がね~…(^^;) わたし苦手なんです。個人的に。変な抑揚のゆるゆる~とした読み方で 延々と続くんです。しかも自分達も読まされたりして(-_-;)。「ぬぁ~むあ~みだぁあ~んぶぅ~ ぬぁ~むあ~みだぁあ~んぶぅ~…」 ![]() ![]() ![]() ちなみに和歌山の高松寺は曹洞宗。禅寺で般若真行やら別のお経を読みます。そちらはなんとなくリズムや旋律の心地よさ 意味が分かるようで分からない所などが妙にはまって好きなのですが…。 お寺やお坊さんにもよるのかもね。 ![]() お焼香。 お寺が済んだら お墓参り。大龍寺という何宗でも受け入れてくれる山合のお寺です。 ![]() ![]() ![]() 戒名は浄華院釋尼みょう慧。享年89歳。 祖母は 私が幼い頃は民生委員をやったり書や絵などをたしなみ 外向きの活動に励んでたらしく また働き者で料理も上手だったようなのですが 事故に遭って足を悪くしてからは だんだんとボケてきて ゆるゆる悪化の道を辿り 嫌がっていた老人ホームにも入らざるを得なくなり 最後は病院で亡くなりました。 家族に最後まで面倒を見てもらいたい という昔風の考えの人だったので 父の三人の姉と母とで週がわりで面倒を見ていた数年間はまだ幸せだったみたいでしたが 母達にとってはおぉっそろしく大変な日々だったようです。 父の姉の一人が亡くなり 母も腰を悪くして ホームに入ってからは 祖母にとっては唯一の楽しみの食事も質が下がり 慣れ親しんだ看護士さんが変わるなどして 不機嫌なことが多かったそうです。問題視されてる方だったんじゃないかな?家族に見捨てられたと思っていたのかもしれない。 最後は父に会っても 第一声が「ばかっ」だったことも。 (目もだんだん見えづらくなってきて 息子だと分かってなかった可能性大) うちの母は何も反応が返ってこなくても上手に優しく話しかけていたなあ。 でも 午後の光が差し込むおばあちゃんの白っぽい部屋には 反応がないと言うだけで随分と彼岸の空気が漂っていたものでした。 ボケていく人の意識は亡くなったらどうなるのか ずっと気になっていたのですが 数年前 玄侑宗久さんの『アミターバ 無量光明』を読んで ちょっと安心しました。 ![]() すなわちボケることは自然に戻っていくプロセスの一つで 夢と現という人の脳の作り上げた枷から自由になっていくことだと書いてありました。(記憶だけで書いていますので間違っているかもしれません。) 主人公のおばあさんは最後に幽体離脱のような状態になって 自分の葬式を見たり 気になる人のところへ挨拶に行ったりしたあと 小さな幼女に導かれて光の中へと溶け込んでいく。 この本では おばあさんは娘や娘婿の会話は聞こえているのに だんだんと現世に執着がなくなっているので返事をしない場面が描かれています。 うちのおばあさんも もう誰が誰だか区別もついていないようで 返事一つしてくれなかったことが多々あったけど 本当は聞こえていたのだろうか? そうなら良いのだけど…。 ![]() とはいえ その玄侑さんも現在 福島の第一原発から45キロ地点で被災もされ また避難している方のお世話もしていて大変そうです。胸中お察しするとともに 心からエールを送りたいと思います。(先日 義援金も一寸だけどしてきましたし…ね) 玄侑宗久さんHP http://www.genyu-sokyu.com/ 雪月花(ブログ) http://yaplog.jp/genyu-sokyu/ |
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2011-04-02 Sat 23:02
法事で和歌山に来ています。 といっても 四十九日ではありません(^_^;)。 それは去年済ませましたのでね。今年は一周忌というわけです。 亡くなったのは乙美さん…ではなく母の母 つまりわたしの祖母です。
名前は貞子といいましたが テレビから出てくるようなことはしませんでした。『四十九日のレシピ』の乙美さんとは全然違う性格で がんがん働き 教会に通い 新聞を隅から隅まで読むので政治・社会に精通し 玉葱やみかんや酢味噌やジャムをかかさず送ってくれ あが( 自分)ばかり喋り続けるパワフルな婆さんでした。享年93歳。 ![]() 絶対100まで生きるやろと皆がみな思っていたのであまりにあっけなく独りなくなっていたことが 無性に悔しかった。孫には優しく子供ら(特に娘たち)にはライバルのような雰囲気もあったかも…?とは母の弁。 写真はその孫の一人 じゅんくんが最近になって始めたたいやきの図。 たいやきじゅん という店で売っています。心のこもった手作りの味で贔屓目でなくおいしい。 ![]() ![]() 私のダイエットを邪魔するにっくき敵でもあります。 HPもありますのでお暇なら見てみてください。 これ店主。 ![]() おばあちゃんはこの店のオープンには間に合った。おばあちゃん制のレシピではないのが残念ですが。 おばあちゃんの絵手紙はあるんやけどな。 ![]() ![]() カトリックの教会にて法事。ミサとか洗礼を受ける人の儀式と合同で。 ![]() でもお焼香するんです。おばあちゃん安らかに~。 ![]() <<この記事はいったんアップしたのに サーバーの不具合で消えてしまったものを再録したものです>> |
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