7月27日、『はじめてのおつかい』や『こんとあき』などで有名な林明子原画展に行ってきた。
銀座松屋の8階の催物会場にしては展示がかなり多く、壁に二段重ねで配置されていることもしばしば。200点以上もあったということで、本当に充実していた。
水彩(もしくはカラーインクか)と色鉛筆を組み合わせて描かれた絵が多かった。絵本はとても微細なところまでしっかり描かれているので、原画はさぞ大きいだろうと思っていたら、どれも出来上がりと大体同じか少し大きめといったところ。細かい部分については、本当に極細の線で輪郭をとっている。何を使って描いたのか…?
『はじめてのおつかい』の原画があったのは良かった。すべてのページの原画があったように思う。個人的には、この作品が筆のタッチが伸び伸びとしていて好き。リアルさとデザイン的なところが調度良いバランスで共存している。後の作品になると(『はじめてのおつかい』の三年後に描かれた『あさえとちいさいいもうと』でさえ)、外側は太い輪郭線で囲み、内側は写実的な描き方をしていて、写真を基にした良い所(子供の仕草がリアル)と悪い所(線の勢いが弱まる)が出てしまったように感じた。
絵本に携わる前のイラスト(真鍋博さんの事務所にいたから、その影響かデザイン的)が見られたのも貴重。『こんとあき』のラフがトレペに描かれていて、線が完成版とほぼ同一、というのが驚きだった。トレスしたんだろうか?どうやって?アニメのように、セル画に線をコピーして反対側から色を塗った作品もあった。本当にさまざまな技法を駆使し多彩な表現をしているのが素晴らしかった。

林明子原画展の後、新宿伊勢丹の沖縄展へ。イラストの仕事をしたタコライス屋さん「きじむなぁ」のブースへ行くと、お店の垂れ幕に絵を使ってくれていた。ステッカーも出来たよ、というので一枚いただいてきた。タコライスにオムレツをかけた「オムタコ」が美味しかった。


